義眼での登園アンケート

2018年3月に義眼での登園している子たちの状況についてのアンケートを行いました。

就学前の子供達がどのように登園しているか。園や親はどういった対応をしているかという現状が分かるものとなったと思います。


全てではありませんが、回答をまとめたものを一部こちらでも公開いたします。

これから入園する方、また園の保育士の方、先生方、自治体の方で詳細が必要な方はメールにてお問い合わせください。

※アンケートにご協力くださった方、本当にありがとうございました。データは項目毎にまとめ、個人情報に関するところは掲載しておりません。ご安心ください。

※無断転載、データの無断使用などは固くお断りします。


義眼の必要な子の登園状況アンケート

期間:2018 年 3 月 18 日 ~ 4月 30 日まで 
総回答数:36 件
方法:WEB フォームによるアンケート募集 

対象:義眼で登園中、登園していたお子さんがいる方、当事者の方

全国の義眼の必要な子供の入園後、登園時の状況を知るアンケートというのはおそらく初めてであり、しかも30件以上、ほとんどが現在登園中の小児の義眼ユーザであるということも貴重な声であると言えます。全国様々な地域で、各園、親がどのような対応をされているのか、どのように子供達が過ごしているのかを垣間見ることができると思います。

これを元に義眼の必要な子どもたちの環境向上に、また保育・教育の場での対応方法のフォローなど還元していくものとなればと考えています。


36件地域に大きな偏りはなく、北から南までの回答をいただきました。

※回答数にぶれがあるのは、未回答だったり、解答抜けなどがあったためです。


有効回答数35件

<義眼の使用は何歳からですか?> 0歳から2歳が多く小児の義眼装着スタートは早い段階が多いという結果でした。先天性の眼疾患(小眼球症など)の場合は生まれた段階で義眼が検討されていきますし、網膜芽細胞腫という小児ガンの場合も発生年齢が低いことが多いため、治療上摘出を選択し早期に義眼が必要になるケースが多いと考えられます



有効回答数 35件

<何歳から入園しましたか?> 0~2 歳の入園を合わせると17件で、これは全て保育園だと考えられます。3歳以降は保育園、幼稚園と両方含まれています。




有効回答数 36件

<園の種類をお聞かせください> 前述の0~3歳での入園データが多いことからも伺えるように保育園に通っている方の回答を多くいただきました。全体としては幼稚園、認定こども園、また公立・私立と事例として満遍なくいただいています。



有効回答数36件

<入園は義眼使用前ですか?後ですか?> 小児が義眼になる理由は小児特有の疾患、怪我などがあります。小眼球症など生まれた時から義眼が必要となってきますし、網膜芽細胞腫も低年齢(0 歳~3 歳)に発症することが多く、治療もその時点に集中的に行われるため入園前に既に義眼を使用していたという割合が比較的多い傾向があります。入園したあとに発症、治療、手術ということもままあるため登園途中から義眼となるケースも少なくはありません。



有効回答数33件

※回答されてない方は、成人された当事者の方の経験談や入園前(入園は決定している)という理由からです

<園での義眼着用はいつからですか?> 回答のあったほぼ全員 (97%) が入園時、はじめから義眼装着して登園しているという結果でした。入園後から装着という1名は、はじめ園側から義眼の上からアイパッチをして登園という条件の提示がありましたが、皮膚のかぶれ、倫理的な問題からもお子さんの健康的な生活に支障が出るということで話し合いが持たれ、早い段階でその条件はなくなりました。現在はアイパッチなし、義眼装着し普通に登園しています。「義眼を装着しての登園が未だ認められてない」という事例はこのアンケート上では 1 件もありませんでした。




入園時のクラスメイトの年齢、人数、先生の人数は?

有効回答数35件

<入園時のクラスメイトの年齢、人数、先生の人数は?> 小規模から大規模までの園での事例が集まっているので人数は様々ですが、義眼だからと特に特別な配慮がされていることは見られず、ほとんどが一般的な人数・保育士、先生の割合で登園していると考えられます。



園で過ごす時の条件はありましたか?
※これから入園予定の方は面接時などで言われたことなど


有効回答数35件

<園で過ごす時の条件はありましたか?>「なし、特になし」という回答がもっとも多い結果でした。アイパッチをはじめ、ケアグッズを園に預けてなど何らかのフォローは行われていることが多いです。義眼なし、義眼の上に何かなどの条件はありませんでした。



園で何か問題が起きたことはありますか?
その原因と解決方法


有効回答数31件

「はずれた」、「回った」という出来事が一番多く見受けられましたが、「1度」と書かれている方も多く、頻度的には園の生活の中で数えるほどと考えられます。

冬場・花粉・黄砂など乾燥環境には弱く、そういった季節に目やにが出やすくなり、痒みが出てこすってはずれる、回るというケースが起きているということも伺えます。

これについては年齢的に子供本人が加減をするということは難しく、大人のフォローは必要です。

※義眼は日常生活で回ったり取れたりということは調整中以外あまりありませんが、横の強い力が加わると外れたり回りやすくなります。


親が行って対応、園が対応などは様々ですが園と親の間でどうするか、というのは事前にしっかり話し合われているようで園側も親側も臨機応変に冷静に対応されており、それぞれ解決されていました。

子供間で起こった問題、という回答はあまりありませんでした。保育園・幼稚園という年齢的なものもあると考えられます。

この質問に回答いただいたのは31/36件で、園での生活で「問題がなかった」という方も複数いました。



義眼の管理を子供自身が出来るようになったのは何歳ですか?
(義眼の出し入れ、洗浄など)

有効回答数34件

<義眼の管理を子供自身が出来るようになったのは何歳ですか?>前提として義眼のケアには

(1)取り出し (2)洗浄 (3)入れる

という3段階が必要です。コンタクト似ているのですが、義眼床(本来目のあるところ、義眼を入れるところ)は人によって違い、義眼の形状も様々で出し入れのしやすさも個人差があります。早い子で3歳でしたが割合は少なく、6〜7歳、小学校入学前後でやっとケアの全てが出来てくるのではないかという結果でした。保育園・幼稚園の間は「まだできない」という回答が多数です。

歯磨きなどと同じで体の一部のことですから必ず習得が必要、習得していくことですが、自分の事だからこそ理解し、受け入れた上の子供の心を大切にしなければならない所でもあります。


小児の義眼の会「まもりがめの会」

網膜芽細胞腫・小眼球症・無眼球症その他幼少期の疾患などで小さな頃から眼球・視力を失った子供・そして親、成長した当事者のための義眼の会として発足しました。

相談や情報交換のできる場所ー旅するお話会(不定期)、お話会(年数回) 義眼の必要な子供達のためのツールの発行、情報発信などを行っています。

<イラスト・データの無断転載は禁じます>

お問い合わせ  mamorigamenokai@gmail.com

website  https://mamorigamenokai.wixsite.com/info/

小児の義眼の会「まもりがめの会」

小児の義眼の会「まもりがめの会」が発行する義眼についての情報です。 会のニュースや、小児の義眼についての情報、コラムなどを掲載いたします。

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