第1回 「替わって欲しいと思う?」

義眼を使用している当事者 dekoさんによるコラム連載。

 第1回は親子の気持ちについて

幼少期から大人へ。当事者は何を思い、何を感じているのか。一つのヒントになれば。


皆さんこんにちは。


皆さんへのご挨拶とさせていただきました、

「コラムを始めるにあたり」

はご覧頂けましたでしょうか?


拙い文面でお恥ずかしいのですが、改めましてこれから宜しくお願い致します。


さて、

はれて初回となるコラムですが、

折角の最初なので…、


皆さんに喧嘩を売ってみます。


著者は性格が歪んでますので悪しからず。

でも、喧嘩出来るような仲が長く付き合える間柄だと思いますからね。

嫌な思いもすると思いますが、ぜひ最後まで見て頂ければと思います。


聞くと嫌になる言葉、


(病気や疾病の子等へ)

「替わってあげられるなら替わってあげたい」

そう吐露される親御さん。


私はそんな方が大っ嫌いなんです。

なれもしないことになぜ思いを持つのか。


そんなこと考えて誰が喜ぶのか。

そう思うのです…。


親心で、家族への情で、

「1度」はこう言うことを考えてしまうのは分かります。

身近な者に自己犠牲の心を持つのは当然の事でしょうからね。


でもね…、

それって深く考えたこと有りますか?



そんな考えは現実を見れる人ならすぐに

「おかしな考え方」

だと気が付く筈なんですよね。

そして替われる訳もなく今を生きる当事者には

「とても失礼な発想」

だと知って欲しいです。



少しおかしな所を書いてみます、


「それって自分と子供がどの時点で入れ替わるの? 」

「貴女(貴方)が親(大人)になった理性のまま替わってあげるの?」



親は子から大人になるまでを経験し、

親になり、子への愛情を知り、病気を知り、

「この子のためになるのなら病気を肩替わりしたい」

と言う覚悟を覚えてからの判断でしょうか。



病気や義眼と言う存在を知った上で自分が犠牲になれば良いと言う、心が成長した今の自分が在るからそう思うこと。


でも、


当事者はそんなふうに大人への成長や人生経験を積んだ後に罹患した訳ではありません。

なんの準備も知識もないゼロから始まって現実の今を経験しながら一生懸命生きています。

そしてそれは誰かと替われる訳がないのも成長と共に分かります。


だからそんな思いで子を見る親には私からこう言わせて貰うよ。


甘ったれるんじゃあない。


「覚悟があるから替われる」

なんて情の有る者には誰でも考え付く、なーんにも美しくもない気持ちです。

そしてそんな気持ちも無く、漠然とそう思ってるなら最も最低です。

それってただ自分が現実逃避したいだけになる。


「本当に替わる」

と言うのは、

「それにはなりたくない」

という気持ちを持って初めて成立する位でしょうか?

自身に対して覚悟のような心の準備が出来ていない場合だと思います。

当人は罹患した時にそんな心の準備が有ったわけでは無いからね。


じゃあ、

「私(親)が生まれた時にそうなっていれば良かった」

なんて思うのなら更にバカらしい考え方です。


それなら親の親、

おじいちゃんやおばあちゃんが同じ思いになってしまってて根本的には何も解決してない。

悲しむ気持ちの場所が変わっただけに過ぎません。

物事として何も良い方向に向かっているように私は思いませんよ。


だから1度は考えても仕方はないけど、2度とはその発想を持って欲しくは無いのです。


そして、

自分がそう言う気持ちが有るのなら、

「これ」も1度考えてみて下さい。


辛い境遇を経験したことの有る子供が、

大好きな親や兄弟・姉弟に

「替わって欲しい」

なんて答えを出すかな?


私だって自分が辛いな…、

悲しいな…、

と思ったりした時、

「誰かに替わって欲しい」

なんて思うことは有ったけど、

「それが答え」とはならない。

本当に周りのことを考えると

「替わって欲しくない」

になるんです。



だって他の誰かが悲しくなるのは、

「自分が悲しいよりもっと悲しくなる」

からね。

親バカな愛情が有るのなら、子だって同じ想いが有るわけです…。


それを分かって下さい。


親が悲しみを一身に背負う必要なんて有りませんよ。

辛さは分担出来ることを知ることです。

本人だって色んなことと戦ってるんです。



お互いが大事に思っている間柄なら、こんな発想をいつまでも持つわけには行きません。


心に余裕が無くなれば目の前に有る可能性すら逃すことも有ります。

前を向いて好材料を増やして行く、そんな気持ちや行動が色んなチャンスを増やして行くことになると思います。



現実に出来ない無駄なことを思ってる時間が有るなら、その子に少しでも愛情を注いで下さい。

家族の仲が深まるコミュニケーションを少しでも増やして下さいね。



小児の義眼の会「まもりがめの会」

網膜芽細胞腫・小眼球症・無眼球症その他幼少期の疾患などで小さな頃から眼球・視力を失った子供・そして親、成長した当事者のための義眼の会として発足しました。

相談や情報交換のできる場所ー旅するお話会(不定期)、お話会(年数回) 義眼の必要な子供達のためのツールの発行、情報発信などを行っています。

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小児の義眼の会「まもりがめの会」

小児の義眼の会「まもりがめの会」が発行する義眼についての情報です。 会のニュースや、小児の義眼についての情報、コラムなどを掲載いたします。

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